文法を勉強していると遭遇する「接頭辞」「接尾辞」という言葉。
なんとなく意味はわかるものの、そのまま通り過ぎてしまっている人も多いのではないのでしょうか。
実は、接頭辞・接尾辞ほど単語暗記に役に立つと言っても過言ではないくらい知っておくと暗記の効率がアップするものなのです。
本記事の内容
・接頭辞・接尾辞を暗記することのメリット
・接頭辞・接尾辞を覚えると暗記の効率がアップする ・絶対知っておきたい接頭辞 & 接尾辞 20選 |
接頭辞・接尾辞を覚えながらTOEIC対策の語彙を増やした筆者が、覚えるべき接頭辞・接尾辞をお伝えします!
ぜひご自身の英語学習に役立ててください。
3分ほどで読めます。おつきあいくださいm(__)m
そもそも接頭辞・接尾辞とは?暗記することのメリット
そもそも、接頭辞・接尾辞が何を指すのかを確認しておきましょう。
暗記することによるメリットもお伝えします!
接頭辞・接尾辞とは
接頭辞とは「英単語の先頭につくもの」で、接頭辞は「英単語の後ろにつくもの」という意味です。
英単語は、いくつかの部分に分解することができます。
英単語の意味の中心となる部分を「語根」といい、語根に接尾辞もしくは接頭辞、または両方を組み合わせて英単語は形作られています。
接頭辞、語根、接尾辞は基本的に「音節」ごとに分解できます。
例えば、「except」は接頭辞「ex」と語根「cept」に分かれます。
「ex」は「外に」、「cept」は「つかむ」という意味なので、「外に出す」という意味から「〜を除いて」という前置詞や「〜を除く」を意味する動詞として使われます。
また、「unbelievable」の場合では接頭辞「un」、語根「believ」、接尾辞「able」です。
「un」は「否定」、「believ」は「信じる」、「able」は「可能」という意味で、「unbelievable」は「信じられない」という意味となります。
接頭辞、接尾辞の考え方は理解できましたか?
わかりにくいという方は英和辞典を見てみてください。それぞれの単語の接頭辞・語根・接尾辞をわかりやすく記載してくれています!
接頭辞・接尾辞を覚えると暗記の効率がアップする
接頭辞・接尾辞を覚えるメリットは、暗記の効率が上がることです。接頭辞も接尾辞も、よく使われるものは決まっています。
上記で「un」は「否定」と紹介しましたが、これを覚えておくと
「concious」は「意識のある」だから「無意識な」は否定の「un」をつけて「unconcios」
というように紐づけて覚えることができるようになります。
大人になると暗記力がどうしても下がってしまうので、連想・紐づけで暗記を強化することで記憶に定着させることができます。
また、個人的には接尾辞・接頭辞とパーツを意識することでスペルミスも減りました!
接頭辞・接尾辞を知っていると単語の意味の推測が可能
接頭辞・接尾辞を覚えると、知らない単語の意味の推測が可能になります。
「insecticide」という単語を例に挙げましょう。
この単語の意味を知らなくても、語根が「insect」で「虫」、接尾辞が「cide」で「切る」と知っていると、「虫を切る」つまり「殺虫剤」という意味だと推測することができます。
このように、接頭辞・接尾辞をある程度知っておくと単語の意味がなんとなく理解できるため、リーディング力の向上にも繋がります。
知っておきたい接頭辞&接尾辞20選
それではさっそく、知っておくと役に立つ接頭辞と接尾辞を20選ご紹介します。
ここに挙げたものを、まず手始めに覚えてみてください!
覚えるべき接頭辞10選
まずは、覚えておきたい接頭辞10選から見てみましょう。
1. con(一緒に)
「con」は「一緒に」という意味の接頭辞です。
- convert→「con(一緒に)」+「vert(向きを変える)」→「変える、転換する」
- connect→「con(一緒に)」+「nect(結びつける)」→「つなぐ」
「cowork(協働する)」の「co」という接頭辞も「一緒に」を表します。
2. ineter(間の)
「inter」は「間の」という意味の接頭辞です。
- intercept→「inter(間の)」+「cept(掴む)」→「横取りする」
- interethnic→「inter(間の)」+「ethn(民族)」+「ic(性質)」→「異民族間の」
性質を表す接尾辞「ic」は「atomic(原子の)」など、頻出するので覚えておきましょう。
3. pre(前に)
「pre」は「前に」という意味の接頭辞です。
- precise→「pre(前に)」+「cis(切る)」→「正確な」
- preclude→「pre(前に)」+「clude(閉じる)」→「封じる、排除する」
「precise」は「前もって切られた」→「前もって細かくされた」というニュアンスで「正確な」という訳があてられています。
4. ad(その方向へ)
「ad」は「その方向へ」という意味の接頭辞です。
- adjoin→「ad(その方向へ)」+「join(つなぐ)」→「隣接する」
- admission→「ad(その方向へ)」+「miss(送る)」+「ion(こと、もの)」→「入院、入学」
「ad」から始まる単語は数多くあるので、ぜひ覚えておいてください。
5. dis(取り除く)
「dis」は「取り除く」という意味の接頭辞です。
- distract→「dis(取り除く)」+「act(行為)」→「(注意を)そらす、散らす」
- discover→「dis(取り除く)」+「cover(覆う)」→「発見する」
「dis」は否定を意味する時もあります。
6. in(否定・中へ)
「in」は「否定」もしくは「中へ」を表す接頭辞です。
- inactive→「in(否定)」+「act(行為)+「ive(性質)」→「活発でない」
- infect→「in(中へ)+「fect(つくる)」→「感染する」
「in」は「ad」のように「その方向へ」と捉えた方が訳しやすい場合もあります。「in」は意味が多く大変に思えますが、覚えてしまうとシンプルです。
7. per(徹底的に)
「per」は「徹底的に」という意味の接頭辞です。
- perfect→「per(徹底的に)」+「fect(つくる)」→「完璧な」
- perplex→「per(徹底的に)」+「plex(折る)」→「困らせる、当惑させる」
「perplex」は「徹底的に相手の考えを折る」というニュアンスで「困らせる」という訳になっています。
8. mis(誤った、悪い)
「mis」は「誤った」「悪い」という意味の接頭辞です。
- mischance→「mis(悪い)」+「chance(運)」→「不運」
- misshapen→「mis(誤った)」+「skep(形)」+「en(〜にする)」→「不恰好な」
「mis」も頻出する接頭辞の1つなので、ぜひ押さえておいてください!
9. sub(下に)
「sub」は「下に」という意味の接頭辞です。
- subhead→「sub(下に)」+「head(頭)」→「小見出し」
- subject→「sub(下に)+「ject(投げる)」→「主題」
「subject」は「下に投げる」→「自分の支配下に置くもの」という解釈をすると、「主題」という訳が理解しやすいのではないのでしょうか。
10. en(中へ)
「en」は「中へ」という意味の接頭辞です。
- enmesh→「en(中へ)」+「mesh(網)」→「網にかける」
- enroll→「en(中へ)」+「roll(名簿)」→「名簿に載せる、登録する」
「en」は「その状態にする」と解釈した方が意味を捉えやすい場合もあります。
覚えるべき接尾辞10選
続いては、単語の後ろにつく接尾辞の中でも覚えておきたいもの10選をご紹介します!
1. ant(人、性質)
「ant」は「人」「性質」を表す接尾辞です。
- assistant→「as(その方向へ)」+「sist(立つ)」+「ant(人)」→「補佐」
- appendant→「ap(加える)」+「pend(ぶら下がる)」+「ant(性質)」→「付随する」
「ant」で単語が終わっているとほとんどの場合名詞ですが、「appendant」のように動詞の場合も考えられるので、文脈から品詞を判断してください。
2. ment(もの、こと)
「ment」は「もの」「こと」を表す接尾辞です。
- abetment→「a(その方向へ)」+「bet(餌、餌をやる)」+「ment(こと)」→「扇動」
- department→「de(離れる)」+「part(部分)」+「ment(こと)」→「部署」
「部分ごとに離したもの」→「部署」という成り立ちは、とてもわかりやすいのではないのでしょうか。
3. ate(〜する)
「ate」は「〜する」という接頭辞です。
- circulate→「circu(輪)」+「ate(する)」→「循環する」
- calculate→「calc(石)」+「ate(する)」→「計算する」
「calculate」は、昔は石を使って計算していたことに由来します。
4. ible(〜しうる)
「ible」は「〜しうる」という接尾辞です。
- vincible→「vince(征服する)」+「ible(しうる)」→「征服できる、克服可能な」
- possibility→「posse (できる)」+「ible(しうる)」+「ity(こと)」→「可能性」
「ible」で終わる単語は形容詞となります。
5. ion(こと)
「ion」は「こと、もの」を表す接尾辞です。
- alternation→「alter(別に)」+「ate(する)」+「ion(こと)」→「交替」
- caption→「cap(掴みとる)」+「ion(こと)」→「見出し、説明文」
「caption」は「注意を掴むもの」という意味で「見出し」という訳があてられています。
6. ful(満ちている)
「ful」は「満ちている」という様子を表す接尾辞です。
- grateful→「grate(喜び)」+「ful(満ちている)」→「感謝している」
- rightful→「reg(まっすぐな)」+「ful(満ちている)」→「正当な」
「ful」は性質を表すため、「ful」で終わる単語は形容詞となります。
7. ium(状態・元素)
「ium」は「状態」や「元素」を表す接尾辞です。
- technetium→「techno(技術の)」+「ium(元素)」→「テクネチウム(元素名)」
- symposium→「sym(一緒に)」+「posi(飲む)」+「ium(状態)」→「討論会」
元素に関する名詞を1つずつ覚えるのは大変ですが、「『ium』がつくと元素や成分に関連する」と覚えておくと暗記をしなくても判断がつくようになります。
8. rel(小さい、軽蔑)
「rel」は「小さい」「軽蔑」を表す接尾辞です。
- cockerel→「cock(おんどり)」+「rel(小さい)」→「1歳未満の若いおんどり」
- wastrel→「wast(浪費する)」+「rel(軽蔑)」→「浪費家」
「wastrel」には「浪費に対する軽蔑の意図が込められている」と考えると、覚えやすくなりますね。
9.ward(その方向に)
「ward」は「その方向に」という意味の接尾辞です。
- awkward→「awk(間違い)」+「ward(その方向に)」→「不器用な」
- forward→「for(先に)」+「ward(その方向に)」→「先へ、前方へ」
「ward」は「down」や「east」、「left」など方向や方角を表す単語と組み合わされることが多く見られます。
10. pathy(感情)
「pathy」は「感情」という意味の接尾辞です。
- apathy→「a(否定)」+「thy(感情)」→「無気力、無関心」
- telepathy→「tele(遠い)」+「thy(感情)」→「テレパシー」
「telepathy」は「自分の感情を遠く離れた相手に伝えること」というニュアンスです。
接頭辞・接尾辞の理解は英語学習にとても有効
以上、接頭辞と接尾辞を20選紹介しましたが、単語の成り立ちのパターンは掴めましたか。
接頭辞・接尾辞を知っておくと
- 単語暗記の効率がアップする
- 知らない単語でも意味の推測が可能になる
という2点のメリットがあります。
単語がどのように成り立っているのか、その語源を理解するためスペルミスなども確実に減ります!
効率よく勉強したい大人にこそ覚えてもらいたいので、ぜひ単語を暗記する際には接頭辞・接尾辞を意識してみてください。