最近グローバルな展開をする企業が増え、新興国として魅力的な市場であるインド。
そんなインドに出張、もしくは駐在が決まった!という方もめずらしくなくなってきました。
しかし、一体どんな準備が必要なのか、衛生面は大丈夫なのか、自分の英語力で大丈夫なのか…など未知の世界に対する不安でいっぱいなはずです。
ここでは、インドへの駐在・海外出張のための持ち物リストと準備10選を実際にインド駐在している筆者がお伝えします。
インドは、「別の惑星」と言われることがあるほど、魅力も驚きもいっぱいの国です!
インド駐在に必須!必需品リスト
まずは、インドに駐在・出張するなら絶対持っていきたい必需品リストをご紹介します。
インドに絶対に持っていくべき必需品とは
日本人が出張で行くような地域は、インドと言っても発展している大都市がほとんどです。
そのため、大抵のものは現地で調達できるので安心しましょう。
最低限インドに持っていきたいものリスト
・マスク
・化粧品・ヘアケア用品 ・変換プラグ ・ボールペンなどの文房具 ・調味料 ・海外用SIMカード |
一つずつ理由を解説していきます。
・マスク
インドの空気に慣れるまでは喉を守りましょう。
インドの大都市は日本と比べ物にならないほど空気が汚く、砂煙が舞っています。
日本のような品質のよい使い捨てマスクはインドでなかなか入手できず、布製かガスマスクのようなものが一般的です。
またインドの飴はとにかく甘いので、食べ慣れたのど飴も持っていくと役立ちます!
・化粧品・ヘアケア用品
女性だけでなく男性も、使い慣れたスキンケア・ヘアケア用品があれば持っていきましょう。
現地でも調達できますが、質がまったく異なります。
洗顔フォームなのに全く泡立たない…ということもめずらしくありません。
・変換プラグ
インドのコンセントの形は日本のものと異なります。
携帯だけでも充電できるよう、変換プラグを持っておきましょう!
・ボールペンなどの文房具
仕事のストレス軽減のため、お気に入りの文房具を買いだめしておきましょう。
日本製ほど品質のよい文房具は世界中他にないと言い切れるかもしれません。
インドのペンは書き心地が悪く、インクもすぐにでなくなるのでイライラさせられます。
インドは青インクが主流なので、青ペンが必須です!
・調味料
自炊をするなら調味料は最も大切な持ち物だと考えておきましょう。
インドでは2リットルの醤油が1000円以上します。
地域によっては味噌やだしなどの入手がとても困難です。
また、ほとんどの地域で牛肉の販売が禁止されているのでビーフコンソメも買うことができません。
・海外用SIMカード
海外で数日間インターネットを使うことができるSIMカードを日本で用意しておきましょう。
見知らぬ土地でも、インターネットさえあればどうにかなる場合がほとんどです。
現地に着いたら、なるべく早くSIMを購入してください!
これだけはしておくべき!インド駐在前の準備10選
必需品を荷物にまとめるだけではインド駐在・出張への準備は不十分です。
ここではインドに行く前に欠かせない準備を説明するので、駐在・出張前にぜひ一読してください。
準備1:パスポートの更新・ビザの取得
パスポートの残り期間が少ないようなら、更新しておきましょう。
駐在ビザは2年もしくは3年で降ります。
しかし、任期期間中にパスポートが切れてしまうと手続きがやっかいです。
また、インドの入国にビザは必須です。
出張の場合はオンラインでも取得できますが、駐在の場合は大使館まで行かなければなりません。
余裕を持って申請しましょう。
準備2:海外旅行保険の加入
インド駐在は体が資本ですので、保険に加入しておくことを強くおすすめします。
そして、噂の通りお腹のトラブルはほとんどの人が避けては通れません。
インドには「ジャパニーズヘルプデスク」という病院の予約・通訳をしてくれるサービスがあります。
一部の海外旅行保険では、無料でアテンドサービスを受けることができます。
インドの病院はとても使い勝手が悪いので、体調が悪い時にはこのサービスに助けられます!
準備3:SIMのアクティベート
海外用SIMカードのアクティベートは日本で終わらせておきましょう。
wifiを必要としたり、電話番号による暗証がいる場合があります。
準備4:Uber・Olaなど配車アプリのダウンロード
空港へのお迎えがない場合には、Uber・Olaを携帯にダウンロードしておきましょう。
インドで使われている2種類の配車アプリです。
空港からホテルまでの道のりをスムーズに移動できます。
インドでは流しのタクシーやオートリキシャーなどによるトラブルが後を経ちません。
UberもOlaも電話番号による認証が必要なので、日本でダウンロードしておいてください。
準備5:ホテルの予約
インドの初日ホテルは必ず事前に押さえておきましょう。
会社が手配してくれるかもしれませんが、自分で手配するとなるとOYOというアプリが便利です。
OYOグループのホテルはインド全土にあるため、目的地近くのホテルを簡単に探すことができます。
口コミも豊富なので「お湯がでるか」「部屋がきれいか」しっかりと確認してください。
準備6:海外キャッシングカードの作成
海外でキャッシングできるカードを持っておきましょう。
両替するより断然よいレートでインドルピーを入手できます。
また、インドルピーは日本で入手不可能なので事前に両替はできません。
準備7: 現地駐在員の先輩へのお土産
駐在員の先輩に日本からのお土産を用意して行くと、間違いなく喜ばれます。
日本からのお土産は「補給」「救援物資」と呼ばれるほどありがたがられます。
これから関係を築く上でよいスタートを切ることができます。
現地日本人向けには調味料や麺類、お菓子類がおすすめです。
インド人は塩気や辛みのあるスナック菓子が喜ばれます。
インド人にはベジタリアンも多いので、卵や肉類が入っていないものが無難です。
準備8:時間は倍以上かかることに対する覚悟
ここからは準備というよりも心構えです。
インドでは何をするにも日本の倍以上の時間がかかると覚悟しておきましょう。
また、インド人の言葉も鵜呑みにしてはいけません。
「1ヶ月かかる」と言われたら、大抵の場合2ヶ月かかります。
オフィスで働くホワイトカラーの人たちでさえ締め切りにはかなりルーズなことがよくあります。
締め切りを守ろうとしない傾向にあるので、スケジュール管理には注意が必要です。
準備9:「大丈夫だろう」という寛容さ
「ちょっとくらい大丈夫」という寛容さを持っておいてください。
寛容に、楽観的になれるかどうかで駐在のストレス具合が大きく変わってきます。
レストランでは床に落としたグラスを平気で渡してきます。
お菓子は手掴みで渡しますし、一方通行の道路のはずなのに逆走レーンができています。
つまり、なんでもありの国です。
色々と気にしていると、ストレスで耐えられなくなってしまいます!
準備10:「英語は話しているうちになんとかなる」という心構え
英語力に不安があっても、「英語は使っているうちに身に付く」と割り切ってしまいましょう。
むしろ、英語の上手さにかかわらず、インド英語独特の発音や言い回しには誰でも苦労するものです。
英語初心者の方がゆっくり・はっきり話すため、
インド人とのコミュニケーションがスムーズに行くこともめずらしくありません。
駐在前に知っておきたい!インド駐在前のよくあるQ&A
続いては、駐在前に気になりがちな疑問と、その回答を以下で紹介します。
著者も赴任前は不安だらけでした。
少しでも駐在前の心配ごとを和らげることができるよう、リアルな生活事情を説明します!
Q1:インドに来た人はみんなお腹を壊すって本当?
本当です。
著者の周囲の人たちはほぼ100%の確率で、3か月以内にお腹を壊しています。
ペットボトルの水しか飲んでなくても、外食をしていなくてもなぜかお腹を壊してしまいます。
うがいの時の水であたる人もいれば、食べ物の油でくだす人もいます。
しかし、何度がお腹を壊すうちに耐性がつくので、誰もが通る道だと割り切りましょう。
日本の整腸剤が効かないこともあるため、現地の薬局で薬を購入することをおすすめします。
Q2:現地に関する情報は何で取ればいい?
インドの日本国総領事館のHPや外務省のHPから「たびレジ」に登録しましょう。
身の安全に関する情報を入手することができます。
デモやストライキ、季節行事に関わる危険情報などをリアルタイムで発信してくれます。
また、現地のリアルな情報を取るのにおすすめなのが新聞です。
政治・経済に加えエンタメ・グルメ情報も入手でき、現地の生活がさらに楽しくなります。
しかも月の講読料は日本円で300〜500円程度です!
著者のおすすめはローカルニュースが充実している「Times of India」です。
インド英語の言い回しの勉強にもなるので、気になる方は購読してみてください。
Q3:インドでは3食カレー?
インド飯=カレーではありません!
インド料理は奥深く、かつ幅広いのです。
インド料理は基本全てスパイスを使っており、汁物も多いのでカレーだと感じるかもしれません。
しかし、実際にはインド人が「カレー」と呼ぶものはその一部だけです。
これは自分で体験してみないとわからないので、ぜひ現地の食事を楽しんでください。
また、大都市はファーストフードやイタリアン・アジアンなどレストランも充実しています。
辛いものが無理でも食べるものはあるので安心してください!
Q4:日本食は食べられる?
日本食レストランはインド各地にあるので、インドでも日本食を食べることができます。
特に首都のニューデリーは駐在員が最も多く、日本食関連のお店が充実しています。
日本食を扱うスーパーやパン屋、銭湯などもあるほどです。
しかし、値段は日本の倍以上することもあり、現地通貨の価値から考えるとかなり高額になります。
駐在員の多くは一時帰国の際に大量に物資や食品をまとめ買いしています。
また、近場であるタイに日本食を食べに行ったり、買い出しに行く人も見かけます。
備えあれば憂いなし!インド駐在・出張の際に必要な準備
インドは基本的に何でも現地調達が可能な国です。しかし、
・マスク
・化粧品・ヘアケア用品
・変換プラグ
・ボールペンなどの文房具
・調味料
・海外用SIMカード
は日本から持っていくことを、インド駐在経験者として強くおすすめします。
準備10選は、これだけしておけば後はどうにかなるということをまとめました。
インドは日本のように快適で清潔な国ではありません。
しかし、せっかくなのでトラブルも経験のうち、と楽しむつもりで駐在に臨んでください!